目次
はじめに
もう一つの記事にするND-S1をLighitningへ対応させるための改造の他に、Dock30pinコネクタからデジタル音声信号を取り出す装置を自分で作ってみたくて構造の把握を行う目的がありました。
分解
分解方法の写真は面倒なので載せません。このサイトに丁寧に書いてるので、そちらを参照してみてください。
とりあえず裏面についているネジと、背面パネルについてるネジを全部外します。そしたら、裏面のパネルと背面のパネルが外れるようになるので外します。裏面のパネルと本体基板の間に少しだけ接着剤が付いていますが、比較的軽い力で外れます。その後、表面と基板を止めている1本のネジを外すと、基板が取り外せます。
全部プラスチックでできていると思っていたんですが、フロントパネルだけ金属でできていたようです。
解析
ブロック図はこんな感じです。結構テキトーに書いているので、信用できません。特に、BU9451KVとDIT4096が繋がっているのかは確認できてません。もしかしたらM16Cに入ってからDIT4096に入っているかもしれません。あくまでもこんな雰囲気って感じです。
中枢部分
RENESAS M16C/62P
詳細に基板上を見ていきます。まず目に入る最も大きいICはM16Cと書かれたものです。パッケージはPRQP0100JB-A(100P6S-A)です。調べてみたところルネサス製のM16C/62Pでした。それ以上の細かい情報はデータシート上のマーキング表記と異なっていたので不明です。
役割としては、メインの制御を行っていると思われます。ボタン周りのin、各チップ(USB切り替え、iPodデコーダー、S/PDIF変換チップ)への制御を統括してます。
ROHM BU9451KV
フラッシュメモリの近くにあるチップです。パッケージは64LQFPです。同一品かはわかりませんが、BU9451KV-E2というものが見つかりました。データーシートが見つからず、詳細なことは不明です。
USBホスト機能を持っていてiPodを接続して、そのデコードができるようです。多分i2sなどで出力を行っていると思います。また、i2cやSPIでM16Cと繋がっていて、制御信号を受け取って、ONKYOとかをiPodに映すようにしているのだと思います。
他にも同じ様なことをするICが何種類もあるようで、それを使えばUSB経由でiPodから音声を出力できると思います。
SPANSION(現infineon) S29AL016J70TFI010
先程のBU9451KVの横に存在するフラッシュメモリです。BU9451KVから直接色々生えています。SPANSIONって聞かない会社だなーって思ってたら、CYPRESSという会社になって、その後infineonになっている(買収されている)ようです。性能としては、16Mb=2MBのようです。
RAMではなくROMなのでバッファとかでは無いし、何に使わているのかイマイチ分かりません。
USB周り
NEC UPD720114
何の変哲もないUSB2.0のハブです。4つのポートがあります。PCからのUSB入力をiPod用とDDC用に分けているのだと思います。
TOSHIBA TC7USB221FT
東芝製のUSB切り替えICです。データシート
iPodのUSBをBU9451KVに繋いで音声出力を行うか、UDP720114経由でPCに接続するかを切り替えています。
音声周り
TEXAS INSTRUMENTS DIT4096
TEXAS INSTRUMENTS製のDDCです。BU9451KVからの音声信号(i2s?)をS/PDIFに変換します。96kHzまでのようです。
TEXAS INSTRUMENTS PCM2704
TEXAS INSTRUMENTS製のDDCです。UPD720114を通してPCに繋がってます。USBをS/PDIFに変換します。
おわりに
調子に乗ってブロック図なんて書いてしまいましたが、意外と残念な結果でした。もっと、USB2.0を直接喋れるマイコンが乗っていたり、Linux、Unixが乗っていたりを期待してました。そうだったら、ファームウェア抜き出して、Linuxに移植する、みたいなことができたんですが…これを実行するには、USBのパケットキャプチャするとかなくて結構大変です。今どきiPodをわざわざ使う人はいないと思うのでやりませんが。
次の記事では、USB端子を生やして、Lightningを使えるようにしてみます。