きっかけ
AliExpressでコインを使って格安でPanasonicのNCR18650GAというリチウムイオン電池を買いました。最低保証容量が3300mAhとのことですが、どうせ容量詐欺なので計測してみることにしました。
買ったリチウムイオン電池NCR18650GAについて
SANYOが開発したバッテリーっぽいです。データシート(自鯖ミラー)によると
・最低保証容量:3300mAh
・容量:3350~3450mAh
・充電方法:CVで4.20V、CCで1475mA
だそうです。
No.0(タブ付き)は
充電式リチウム電池,DIY用,18650,ncr18650ga,3.7v,3500 mah,懐中電灯,ニッケル,オリジナル,100%
No.1~4(タブなし)は
充電器付き多機能バッテリー,リチウムイオン,充電式,3.7v,18650 mah,cr18650ga
使用機器
・直流安定化電源(菊水 PMC18-3A)
・デジタルマルチメータ(ADVANTEST R6452A)
・電子負荷(電子負荷IRV Electronic Load)
・18650用電池ボックス
・RS-232Cのメス-メスクロスケーブル
・RS-232C↔️USB変換器(URS232GF)
・Linux PC
実験方法
充電
直流安定化電源を電圧4.2V、電流1Aに設定して、直接リチウムイオン電池を接続します。10mAくらいになったら充電を終了しました。データシート通りに1475mAにしたほうがよかったかもしれません。
放電
4端子計測を行いました。デジタルマルチメータのBchを電圧計とし、Achに電流計と電子負荷を接続しました。放電電流はデータシートにかかれている中で最も小さい値である2Aにしました(No.0だけ1A)。放電終了電圧は2.5Vとしました。デジタルマルチメータをRS-232Cで接続して計測値をタイムスタンプと一緒にcsvファイルに保存するようにしました。csvに保存する方法は「デジタルマルチメータADVANTEST R6452Aの値をRS-232Cで取得して保存してみる」
充電終了電圧が2.5Vなので、2.5Vになったら、手動で電子負荷をOFFにしました。ただ、これだと2.5Vを割ってることに気づけないことが何回かありました。→SONOFF 5V RE5V1Cのファームウェアを書き換えるで作ったスイッチを使って電圧が2.5V以下になったら遮断するようなプログラムを組みました。
実験結果
計測結果をグラフにしました。
というわけで、容量はそれぞれ、
No.0:1072mAh(32.5%)
No.1:1661mAh(50.3%)
No.2:1760mAh(53.3%)
No.3:1848mAh(56.0%)
No.4:1833mAh(55.5%)
となりました。
うーん盛大に容量詐欺ですね。最大でも公称容量の56%しかないです。実にAliExpressといった感じです。
おまけ
部屋にICR18650っていう2000mAhのバッテリーとSZNT 18650-2000MAHっていうのと、LR1865SFっていうのがあったので計測してみました。いつから家にあって、何に使っていたのか全く覚えてない電池たちです。
ICR18650
いろいろなメーカが作っているらしくて、メーカによってまちまち
計測条件としては
・容量:2000mAh、最低1950mAh
・通常充電:CVで4.20V、CCで500mA
・通常放電:400mA 、2.5Vで終了
結果
1412mAhでした。まあ、結構古いしそんなもんだと思います。
SZNT 18650-2000MAH
データシートが見つからなかったので、ICR18650と同じ条件にします。
結果
1941mAhでした。かなり良い結果だと思います。
LR1865SF
データシートより
・容量:2200mAh、最低2150mAh
・通常充電:CVで4.20V、CCで1075mA
・通常放電:1075mA、3.0Vで終了
結果
2082mAhでした。今回計測してきたバッテリーの中で最も容量が大きかったです。
おわりに
バッテリーの容量の計測方法を習得できたので良かったです。途中からはシリアル経由で動作するリレーを使って自動化できたのでかなり楽でした。これで、AliExpressでバッテリーを買っても容量の検証ができます。
後日談:NCR18650GAは容量詐欺甚だしいので返品しました