PowerBook G4のOpen FirmwareでUSBからLinuxやLeopardを起動する

投稿者: | 6月 26, 2025

はじめに

PowerBook G4 Alminium 17inchという、世界で最も美しいラップトップの1つを購入したので、使うべく、MacOS LeopardとGentoo Linux、PowerArchの導入を考えています。CDやDVDにOSイメージを焼くのがもったいないので、できることならUSBからインストールしたいです。調べると、できるようなんですが、かなり手こずったので、まとめることにしました。

USBメモリの相性問題

これが手こずった主要因です。大きい容量なものは、認識に難がありそうなので、よくわからないUSBメモリを使っていたのですが、これがダメでした。ちゃんとしたメーカーのUSBメモリに変えたら問題なく認識されました。下の写真の6つを試しましたが、左の2つの謎メーカとBuffaloのはダメでしたが、右のUniSerB(USB3.0)、Silicon Power、ELECOMのものは使用できました。

試したUSBメモリ

Open Firmwareの起動

option+command+o+f
を同時に押しながら電源ボタンを押して、起動するまで押し続けるだけです。

PowerBook G4 17inchのUSB

Open Firmware内で、右のUSBがusb0、左のUSBがusb1と認識されました。

Gentoo Linuxの起動

0. 事前確認
パーティションの番号とGrubの場所を知っておく必要があります。
まあ、わからなくてもPPC/PPC64 Minimal Installation CDは、パーティション番号3(前から4つめ)、Grubのパスは/System/Library/CoreServices/grub.elfです。

1. USBの場所の確認
dev usb0 ls でdisk@1が表示されるか?されない場合はdev usb1 ls を試す。

2. 起動
usb0の場合は以下の様です。
boot usb0/disk@1:3,\System\Library\CoreServices\grub.elf

MacOS(Leopard)の起動

Linuxと同様です。isoイメージをUSBに焼くと、パーション番号3に主要なファイルが配置されます。
起動は、
boot usb0/disk@1:3,\System\Library\CoreServices\BootX
です。

Open Firmwareの使うであろうコマンド

dev デバイスパス ls

指定したデバイスパスの下にどの様なハードウェアがつながっているか出力します。Windowsのデバイスマネージャの表示を「デバイス(接続別)」とした時をイメージするとわかりやすいと思います。

dev / ls であれば、ルート下のすべてのハードウェアの一覧
dev usb0 ls であれば、usb0(/pci@2f2000000/usb@1b,1のエイリアス)に接続されているすべてのハードウェア一覧
が表示されます。ls無しで実行するとcdの様に振る舞い、指定したデバイスパスに移動します。

dev /aliases .properties

エイリアスの一覧を取得できます。把握しておくと長いデバイスパスを入力する必要が無いので楽です。

dir デバイスパス:パーティション番号,パス

デバイスパスが対応しているファイルフォーマットの場合、パーティション番号とパスで指定したディレクトリの中身の一覧を取得します。パスは\区切りである必要があります。パーティション番号はMacOSやLinux上のls /devで確認できる番号と一致します。パーティション番号は何も入力しないこともできますが、MacOSを起動させるためには入力が必須です。

dir hd:3,\ であれば、hd(内蔵HDDのエイリアス)の先頭から4つめパーティションのルートディレクトリの内容を表示します。

boot デバイスパス:パーティション番号,パス

パスで指定したファイルから起動します。

dir usb0/disk@1:3,\System\Library\CoreServices\BootX BootXファイルから起動します。Leopardのインストールディスクから起動するときに使います。
dir usb0/disk@1:3,\System\Library\CireServices\grub.elf Gentoo LinuxのインストールディスクからGrubを起動する時に使います。

bootではなく、loadを行い、goで実行することもできます。

参考にしたページ

はるかぜ「メモ:iBook G4にGentoo Linuxを導入する」
もともとこのページを参考に作業していいたのですが、起動しなくて大変でした。

Lifedigital2010’s Blog「How to install Mac OSx from USB on a PowerPC Powerbook G4」
かなり丁寧にUSBデバイスからの起動方法について書かれています。

GitHub Gist Felicitas Pojtinger「Boot Linux or OpenBSD on the PowerBook G4 (PowerPC/ppc32)」
さまざまなディストリビューションでのOpen Firmwareからの起動方法について書かれています。

NetBSD「NetBSD/macppc よくある質問」
Open Firmwareのコマンドリファレンスから、バックスラッシュの入力の仕方まで書かれています。

おわりに

サクッと起動するつもりがUSBメモリのせいで手こずってしまい、大変でした。Gentoo Linux、インストールが大変そうなので覚悟してバトルします。

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