UbuntuでDistccを使う

きっかけ

24コア48スレッドなXeon機の使い道を募集したところ、distccのサーバーとしてみてはいかが？と言われ、存在を知り、PowerBook G4にGentoo Linuxを入れるということで、使ってみることにしました。

インストール

0. 事前に使いたいコンパイラをインストール
自分は、gcc-14-powerpc-linux-gnuとg++-14-powerpc-linux-gnuをインストールしました。

1. distccのインストール
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt install distcc

2. コンフィグファイルを編集
sudo vim /etc/default/distcc
STARTDISTCC=”true”
ALLOWEDNETS=”192.168.x.0/24″ #許可するネットワーク(自分のIP環境に合わせて)
LISTENER=”192.168.x.x” #自身のIP(自分のIP環境に合わせて)
NICE=”10″

3. サービスの開始と起動設定
sudo systemctl enable distcc.service
sudo systemctl restart distcc.service

デーモンではなく、一時的に実行したい場合

192.168.x.0/24からの許可、自身のIPが192.168.x.xの場合
distccd --no-detach --daemon --allow 127.0.0.1 --allow 192.168.x.0/24 --listen 192.168.x.x --log-stderr

コンパイラのファイル名が異なる場合

ディストリビューションが異なると、コンパイラのファイル名が異なったりすることがあります。例えば、powerpc向けのgccは、Gentoo Linux上では、powerpc-unknown-linux-gnu-gccですが、Ubuntu上では、powerpc-linux-gnu-gcc-14とかです。
解決策としては、同じ名前のシンボリックリンクを作成して、distccの設定を行うだけです。

1. コンパイラの場所の特定
which powerpc-linux-gnu-gcc-14
/usr/bin/powerpc-linux-gnu-gcc-14でした。gccのバージョンが合っていることを確認してから行うのを推奨します。

2. 依頼先のコンパイラの名前のシンボリックを作成
sudo ln -s /usr/bin/powerpc-linux-gnu-gcc-14 /usr/bin/powerpc-unknown-linux-gnu-gcc

3. distccに設定
cd /usr/lib/distcc
で移動し、distccへのシンボリックリンクを作成します。
sudo ln -s ../../bin/distcc powerpc-unknown-linux-gnu-gcc

4. 設定の適用
sudo update-distcc-symlinks

これで完了です。

参考にしたページ

retroflux「Distcc adventures: Distributed cross-compiling with macOS and Windows/Linux」
Gentoo Linuux Wiki「Distcc」