きっかけ
サーバ用のCPUファンを使ったハンディファンの作成を行うために制御基板を作成する必要があったのですが、低コストでつくりたいのでNE555で作ることにしました。
要件定義
・電源は5V
・出力PWMの周波数は20~30kHz
・デューティー比はなるべく0~100%まで出力できるようにする(実際のファンでは、数%で出力は0になり、90%後半で100%となるのでそこまで重要ではない)
・可変抵抗を使ってデューティー比を制御する
回路図
秋月の「PWM(スイッチング方式)DCモーター速度可変キット」106244の回路を参考にして作成しました。LTSpiceでのシミュレーションを使った回路図はこんな感じです。手持ちで持っている部品で作成できるようにしました。

R1は小さいほどR2が0の時(デューティー比0付近)のデューティー比が0に近づきますが、小さくしすぎると、Discharge用のトランジスタの抵抗値と釣り合ってしまい、電圧を上げないと動作しなくなってしまいます。100Ωにしたところ、7V付近まで電圧をあげないと動作しませんでした。少し高級なCMOS版のNE555を使用すれば100Ωでも動くと思います。
R2、R3は可変抵抗です。C1との時定数で周波数が決まります。合計値が大きいほど周波数が低くなり、小さいほど高くなります。
C1は手持ち的に、330pFと470pFの組み合わせで作れる800pFとしました。
C2は割となんでもいいと思います。
シミュレーション結果
R2が50kΩ、R3が0Ωの時に19.8kHzとわずかに20kHzを割っていますが、この程度なら誤差です。周波数特性もなかなか良さそうです。
R2 [kΩ] | R3 [kΩ] | 周波数 [kHz] | デューティー |
0 | 50.0 | 24.4 | 2.3% |
12.5 | 37.5 | 25.7 | 26.6% |
25.0 | 25.0 | 25.8 | 50.7% |
37.5 | 12.5 | 25.9 | 74.9% |
50.0 | 0 | 19.8 | 99.6% |
ブレッドボードでの動作確認
ダイオードは、1SS178を使い、C1は330pFと470pFの並列です。5VとGNDの間にデカップリングコンデンサとして100nFを挿入しています。問題なくファンの出力を0~100%で制御できました。
ファンの制御できた! https://t.co/PkBS0BcugD pic.twitter.com/RZR1nom6UI
— Unagi Dojyou (@Unagi_Dojyou) July 31, 2025
おわりに
これでハンディ扇風機を作成できます。