はじめに
AliExpressの100円ショップで買い物をしていたところ、こんなものが売っていたので買ってみました。
LED 12-24v車の読み取りLEDナイトストリップライト室内灯天井ランプオンオフスイッチ付きバンローリートラックキャンピングボート用
200円で108LEDのものが買えました。色々なショップで扱っている商品ですが、どれも安くて高くても300円ちょいで買えると思います。
動作確認をしてみたところ、微妙に暗いので改造(オーバーボルテージ)してみることにしました。
基本スペック
12Vから85Vの入力のようです。本体にDCDCとスイッチが内蔵されていて、黒色の樹脂で固められています。電源と逆側にはスイッチがついています。LEDは108個ついているようで、6個が18列 並んでいます。
下の感想は12V時のものです。
明るさは、暗くは無いけど、眩しくは無いって感じです。デスクのライトに使えると思います。元々が車の中の照明用らしいので、その用途なら十分だと思います。
色は青っぽくて演色性は悪そうです。発熱はほんのり暖かくなる程度です。
内蔵DCDCのバイパス
本体のDCDCを改造して電圧or電流を上げたいですが、樹脂に囲まれてしまっていてどうしようも無いので、外から電圧を加えます。本体をよく見ると、パターンがあることが確認できるので、カッター等で削って、電極を露出させました。
これで、直接LEDに電圧を加えられます。
搭載されている電源は定電流電源となっています。そのため、スイッチがOFFのときは入力電圧がそのまま出力されてしまい、スイッチが入ってから一瞬の間はLEDに入力電圧が印加されてしまいます。ちょっと良くない設計だと思います。出力上限電圧を設定したり、スイッチを電源よりも上流に持ってくるべきだと思います。
解析&オーバーボルテージの目標値
無改造時に12Vを入力すると電流が0.87Aで10.4Wでした。また、LED全体に印加される電圧を測ったところ8.84Vだったため、LEDには1.18A流れていると推定できます。8.84Vなので、LEDは6つ直列ではなく、3つ直列だと推測できます。そのため、今回のCOB LEDは3つ直列のLEDが36個並列に接続されています。LED1つあたり2.95V、で32.8mAです。
青(白)色のLEDの電圧は3~3.6Vといった感じです。3.3Vあたりが一般的だと思います。なので、今回は3.3Vでの駆動をしようと思います。10VをLED全体に印加します。全体で1.2V程度のオーバーボルテージです。
実験結果
10Vを加えてみました。電流は2A付近だったため20Wです。元の電源の約2倍の電力です。明るさもスマホの照度計で測定してみました。
結果は元々が10065luxで、10Vで駆動時が22789luxでした。2倍以上明るくなっています。ちなみに、100均で明るいと話題になったCOB LEDが11649luxとかでした。スマホにLuxというアプリを入れて15cm離して計測しました。
ただ、やはり発熱が気になります。そのままでは使用できないと思います。手で触れられないくらい熱くなります。ヒートシンクを付けるのが必須だと思います。
【おまけ】電源の作成
今回は、直流安定化電源を電源とするだけでなく、専用の電源も作成しました。
改造母体は6個のUSBがついたカーチャージャーです。右上のオレンジ色のものだけ、急速充電(QC3.0)に対応しています。BK-360という型番です。
汚れた車の充電器,15a,6USB,正方形,強力,多機能,急速充電
分解すると、DCDCコンバータが2つ搭載されていて、急速充電対応のポート用のものと、それ以外の5V固定のものがあります。これのUSB部分を取り外し、端子を解析すると以下の様になっていました。
FBの端子は急速充電用のDCDCコンバータのフィードバック端子です。これとGNDもしくは出力の間に適切な抵抗を取り付けることで任意の出力電圧にすることができます。そこで、今回はそっちの急速充電用のDCDCコンバータを使用します。GNDとフィードバック端子間に24.3kΩ、フィードバック端子と出力端子間に100kΩが既に設置されています。これで5Vの出力なのでフィードバック電圧が1Vになるように出力されることがわかります。10Vを出力したいので、GNDとFBの間に20kΩ(もしくは出力とFBの間に184kΩ)を追加しました。
これで、出力電圧が10Vになりました。スイッチはCOB LED側のものを使用できるので問題ありません。
おわりに
今回は、このLEDが割りと使えることが判明したので、マイコン(ESP32)をつないでIoT化していこうと思います。電源の作成時に2系統あるDCDCを使用したのも残った5V側をマイコンの電源として使用するためです。