MOSFETを使ったc接点リレーの等価回路

投稿者: | 3月 11, 2024

はじめに

なんか、絶縁する必要が無いのにリレーを使うのってダサいじゃないですか(あと、コストもかかる)、ってことでMOSFETを使った等価回路をちょっと考えてみました。

要件

下の回路の等価回路を考えます。負荷側から電流を流すことは考慮しません。DCで周波数特性は考えません。主な使用用途としては、電源の切り替えです。

この回路の等価回路を作成する

回路

こんな感じになりました。ロードスイッチを2つ使用して、片方をNOT回路で反転させた感じです。
注意点として、ON側が0V付近のとき、ON/OFFの値に関わらず常にOutは0Vです。

MOSFETを使ったc接点リレーの等価回路
ロードスイッチ
作成した回路

OFFのときはQ3が導通しないので、M1のゲートはHighです。そのとき、Q1のベースはR1を伝って電流が流れてくるので、Q1導通し、M2のゲートが0Vとなります。よって、M2(NC)が導通し、M1は非導通です。
ONのときはQ3が導通するので、M1のゲートが0Vとなります。そのとき、Q1のベースも0Vなので、Q1は導通せず、M2のゲートはHighになります。よって、M1(ON)が導通し、M2は非導通です。
ダイオードがあるのは、MOSFETのボディーダイオードで逆流してしまうのを防ぐためです。

注意点
・ONが0V付近のとき
先程書いた通りONが0Vのときは、Q1のベースが常に0Vなので、Q1が導通せず、M2(NC)が導通しません。下に対策した回路を載せます。
・R1とR5の値
設計上の注意としては、R1とR5の大きさに気をつけてください。R5がR1に比べて小さすぎるとM1のゲート電圧が小さくなり、常にM1がONになってしまいます。
・低電圧(~5V)のとき
M1とM2に何を使用するかで変わりますが、ゲートソース間の電圧差が足りなくなり、半開きになってしまいます。低電圧で使用する場合は下のPNPトランジスタを使った回路を使用してください。

シミュレーション結果

いい感じに動作しています。

シミュレーション結果

ONが0Vになる時がある場合

先程の回路では、ONが0Vの場合、出力が常に0Vとなってしまいます。そのため、トランジスタを1つ増やすか、ダイオードを1つ増やすことで回避できます。

ダイオードを1つ追加したもの
ダイオードを1つ追加したもの(ONに電圧が表れるの対策)

ダイオードを使った場合は、そのままの回路に追加しただけだとON側にNC側の電圧が現れる可能性があるので、MOSFETの逆流防止のダイオードの位置を変更しています。それだと、3端子の2つのダイオードが入っているタイプのダイオードが使えなくなってしまうのでちょっと残念です。NC側の電圧が現れると言っても、20kΩが直列に接続されているので、5kΩくらいをNCとGNDの間に挿入したりしても良いかもしれません。

トランジスタを1つ追加した回路

トランジスタを1つ増やす回路では、完全にロードスイッチを2つくっつけて片方にNOTを接続しただけの回路です。

PchMOSFETではなくPNPトランジスタを使用する場合

扱う電圧が小さく、十分なゲートソース間の電圧が確保できない時、PNPトランジスタが使用できます。NCが0Vでも問題なく動きます。

PchMOSFETではなくPNPトランジスタを使用した場合

おわりに

実際にブレッドボードで組んで実験しているわけでは無いので、ほんとに問題なく動くかは不明です。電子負荷を作る途中で考えた産物です。

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