USB PD PPSを使用した小型可変電源「mini PD-PPS VariablePowerSupply」↩
はじめに
かなり部品調達・実装・書込み・公正が大変ですので、自分で組み立てするのはおすすめしません。
基板裏側の右下に20240502V1と書かれているものがこのページの対象品です。
目次
- はじめに
- 必要な装備・技術
- 0. 回路図
- 1. 部品表
- 2. 組み立て
- 3. 7セグ取り付け前のチェック
- 4. 7セグの取り付け
- 5. ファームウェア書込み
- 6. R1とR2取り外し
- 7. キャリブレーション
必要な装備・技術
・TSSOP20、USB Type-Cをはんだ付けできる
・0.001V単位(推奨)で18V以上出力・計測できる可変電源・デジタルマルチメータがあること
・0.01A単位(推奨)で3Aまで出力・消費できる電源・電子負荷があること
・Windwos機があること
・諦めない心
Windows機に関しては必須ではありませんが、少なくともintel MacではWCHISPTool_CMDが動作しませんでした。リセットボタンの無効化が必須のため、公式ツール以外は使用できません。
0. 回路図
GitHubに乗せていますが、これは修正後のものです。ミスが含まれるバージョンはschematicV1.pdf
となっています。見比べていただければ、ボタン周りのミスがわかると思います。
1. 部品表
同じくGitHubにBOMを乗せていますが、こちらも修正後のものとなっています。V1の場合は
RN1は不要です。代わりに0603な5.1kΩを4つ用意してください。また、ポリウレタン線が必須です。あとは同じです。
2. 組み立て
RN1、R6、U2(7セグ)、SW1、SW2、SW3、U3(三端子レギュレータ)、C4、C5が修正の対象です。それ以外はつけてください。
2.1. U3,C4,C5 三端子レギュレータ周り
三端子レギュレータのフッドプリントを間違えたので、その修正です。
2.2. R6,RN1,SW,U2 スイッチ周りのミス
C17ピンがADC付きだと思っていて発生したミスです。かなり大規模に修正が必要です。
まず初めに、7セグのカソード(8,9,12ピン)からポリウレタン線をはやします。まだ7セグは基板に取り付けしないでください。
SW4以外のボタン(SW1,SW2,SW3)の右側の端子のところに5.1kΩをつけます。また、R6にも5.1kΩをつけます。7セグはまだ取り付けしないでください。
3. 7セグ取り付け前のチェック
7セグを取り付けると、マイコンや、集合抵抗をさわれなくなってしまいます。そのため、7セグ以外をつけた状態で、すべてのGPIOをHighとするファームウェアを焼き、テスターで確認してください。
3.1. R1とR2のショート
USBを使用して書込みを行うので、R1とR2に0Ωを取り付けてください。最終的なファームウェアを焼いたあとに取り外します。
3.2. ファームウェアのダウンロード
GitHubから、allhigh.hexをダウンロードしてください。
3.3. 書込みソフトのダウンロードとインストール
公式書込みソフトであるWCHISPToolを使用します。ダウンロード後、インストールしてください。WCHISP以外の有志が開発したソフトではリセットピンの上書きができないので使用不可です。LinuxやMacの場合はWCHISPTool_CMDが使用できるようです。使い方は各自調べてください。ただし、自分の環境(Macbook Pro 2020 macOS Sonoma)ではセグフォで動作しませんでした。
3.4. 書込みソフトの設定
Chip SerieやChip Model、Download Fileを選択したあと、RST multiplexing is an external pin resetのDisable mul-func,RST is used for IO functionを選択して、リセットピンを普通のGPIOとして使えるようにします。
3.5. ダウンロードモードで接続
基板のDownボタン(SW4)を押しながら、USB-CでPCに接続します。
3.6. 書込み
Deprotectボタンを押したあとに、Downloadボタンを押すと書込みが開始されます。上手く認識されない場合は、USB周りのはんだが上手くできていない可能性が高いです。
3.7. 電圧をチェック
7セグ(U2)がつく穴、11個それぞれに3.0Vが出力されているかテスターで確認してください。また、LEDが点灯・点滅していることを確認してください。ダメそうなところは直してください。
4. 7セグの取り付け
7セグのどの足の間にポリウレタン線を通すかを考えてから、7セグを取り付けしてください。
A1からはやしたポリウレタン線をSW1、A2からはやしたポリウレタン線をSW2、A3から生やしたポリウレタン線をSW3に取り付けた5.1kΩにつなげます。
5. ファームウェア書込み
GitHubからpd_pps_variable.hexをダウンロードしてください。先程の3.4~3.6と同じ要領で焼いてください。正常に焼ければ、CALと表示されてるはずです。
6. R1とR2取り外し
3.1で取り付けた0Ωを取り外してください。取り外さないと7セグの表示ができません。
7. キャリブレーション
キャリブレーションを行えば終了となります。