きっかけ
AliExpressで300円のはんだごてや、ハンダ吸い取り器を買いました。ただ、どちらも220Vの駆動を前提に作られていて、AC100Vじゃまともに温まりません。そこで、AC100V(振幅141V)を倍電圧整流してDC282Vで駆動してやろうと思いました。ってことで倍電圧整流回路の自作です。
試作
原理とかを知りたい人は、他のページを当たってみてください。
取りあえず試作してみました。耐圧150V680μFなコンデンサと1N4007をくっつけて作成しました。怖いので1Aのヒューズもくっつけておきました。
動作させてみましたが、突入電流でヒューズが切れまくります。当たり前です。一応、初回は正常に動作しました。
本設計
試作から突入電流対策をしなければならないことが判明しました。ということで突入電流対策をした回路図が以下のようです。
突入電流対策ではじめの1.5秒くらいは200Ω抵抗を入れています。左上のトランジスタがダーリントン接続されている部分がリレー制御のタイマーで1.5秒くらいすると、リレーU1→リレーU2という順番でONになります。U1が突入電流対策の200Ω抵抗をショートさせ、U2が出力を負荷に接続します。R11の100kΩは電源が切れたときにコンデンサを放電するのに使います。
リレー制御部の電源は倍電圧整流回路の100VからACDCコンバータで5Vをひっぱてきて、同時に電力が供給されるようにします。(もしくは、倍電圧整流回路→リレー制御部の順で電源投入。絶対にリレー制御部→倍電圧整流回路の順にならないように!)
作成
ユニバーサル基板に組み立てしていきます。
部品ですが、
C1、C2・・・nichicon GU 105℃ 150V 680μF
C3・・・てきとうな10Vくらいのやつ
R2・・・200Ωは1/2W 1kΩを5本並列
R5・・・5W 5Ωなセメント抵抗を2つ並列
R2、R4、R8、R11・・・普通の1/2W抵抗
D1、D2・・・IN5402 200V 3A(耐圧オーバー)→1N4007 1000V 1Aに変更
U1、U2・・・SRD-05VDC-SL-C(耐圧オーバー)
といった感じです。あと、入力部に5Aのヒューズ、出力部に1Aのヒューズを設置してます。耐圧オーバーの部品がありますが、D1、D2に関しては、絶対に違うものを使ってください。IFSMが30Aある1N4007とかで良いと思います。
注意点ですが、
リレー制御部と倍電圧整流回路部分では絶縁すること、リレーの個体差を見て、動作が早いものを入力側(U1)、遅いものを出力側(U2)に使用してください。
問題点
・AC220Vよりも負荷での消費電力が大きい
AC220Vよりも、DC282Vは1.64倍消費電力が大きくなります。はんだごてのオーバーヒートなどもあり得るので、PWMを使って調整しようと計画中です。
・リレーの耐圧オーバー
リレーの耐圧をオーバー。使用したSRD-05VDC-SL-C(データシート)は110VDCです。2倍以上オーバーしてます。多分、消弧ができずにOFFにないからこの電圧になっていると思われるので投入さえできればどうでもいいです。ただ、電極の摩耗が確実に早まっていると思うのでそのうち壊れると思います。
・ダイオードの耐圧オーバー
これは、部品選定ミスです。耐圧200Vですが、ここには282Vが加わります。やらかしました。昔にメモした袋には300V 3Aまでと書いてあったので行けると思ってしまいました。この記事を書きながらデータシートを見たところ200Vまででした。壊れると入力側に電流が流れるので怖いです。ちょうど良さげなやつが手に入ったら交換します。
おわりに
ダイオードの耐圧をオーバーしているとは…よく耐えてたな。早急に交換しなければ。
PWM制御を用いた電力調整装置を作ろうと思っているのでできたら記事にしようと思います。筐体を作るのもそれができてからになりそうです。
はんだごてと一体になっているハンダ吸い取りめっちゃ便利です。一瞬で基板から部品を引き剥がせます。